2016年06月02日

歴史的假名遣事始め (十八) 市川 浩

クイズで遊ぶ歴史的假名遣(十八)(平成二十八年六月一日) 市川 浩

先月のクイズ解答
下記の所論に問題があるとすれば、その反論を御書き下さい。(問題の性質上、敢て新字・新かなで表記してあります)。

結局字音仮名遣を含む歴史的仮名遣は学習困難な代物で、歴史的仮名遣の時代には、人々が如何に苦しんだか。今の若い人が旧仮名遣いに違和感を感ずるのは当然である。

この主張に對する反論の一例を擧げます。
私は昭和六年生れで、「現代かなづかい」告示の年には中學三年生で戰前中等教育の最後を受けたのですが、字音假名遣を含め、歴史的假名遣について纏まつた教育は受けた記憶はありません。更に昭和十八年に發行された山田孝雄、小島好治共著の假名遣教科書「假名遣ちかみち」は戰時中の物資統制で、暗記を強要するとして製本用紙の配給を絶たれたといふ事實もあり、意圖的に假名遣の系統的な學習をさせなかつたのではないかとの疑ひさへあります。漢字では既に石井式による幼兒教育が普及しつゝあり、漢字は難しいから廢止せよと言つた議論も聞かなくなりました。假名遣も適切な幼兒教育により教へ始めればよいので、その意味で漢字の石井式に相當する假名遣の幼兒教育法の開發が急がれます。尤もそれはそんなに難しいことではなく、繪本に正しい假名遣を示し、大人がそれを正しく讀んで上げればよいのです。
一方「ゐ」も「ゑ」も知らずに大人になつてしまつた世代の方にも是非歴史的假名遣を身に著けて頂きたく、その經驗はまた幼兒教育にも反映されて行くものと期待してゐます。

練習問題
下記の所論に問題があるとすれば、その反論を御書き下さい。(問題の性質上、敢て新字・新かなで表記してあります)。

契冲が、仮名遣いの基本を過去の文献に依拠するとして、特に古事記、日本書紀、そして
万葉集の表記を参考としたというが、これ等三書に共通する上代特殊仮名遣が無視されているのはおかしいではないか。
posted by 國語問題協議會 at 14:51| Comment(0) | 市川浩