2016年09月04日

クイズで遊ぶ歴史的假名遣(二十一)(平成二十八年九月一日) 市川 浩

先月のクイズ解答
下記の所論に問題があるとすれば、その反論を御書き下さい。(問題の性質上、敢て新字・新かなで表記してあります)。

現代仮名遣いは「主として現代文のうち口語体のものに適用する」とあり、「主として」だから「現代文のうち口語体のもの」以外にも適用可能であり、既に和歌では普通のことであり、古典を含め文語文の現代仮名遣い表記も文部科学省主任教科書調査官の著書で容認している。

この主張に對する反論の一例を擧げます。

昭和六十一年内閣告示の「現代仮名遣い」の前書き第四項に
この假名遣いは主として現代文のうち口語体のものに適用する
とあります。この文と全く同じ構造の
死刑判決は主として殺人罪のうち殘忍、惡質のものに適用する
を考へれば、「主として」だから殺人罪以外の罪にも死刑が適用できるとしても、それは餘程の例外的な場合に限ること明らかです。從つて「主として」だから「現代文のうち口語体のもの」以外に何でも自由に適用可能とはなりません。
この問題に就いては、國語國字第百九十三號(平成二十二年)に拙論を掲載してをります。

練習問題
下記の所論に問題があるとすれば、その反論を御書き下さい。(問題の性質上、敢て新字・新かなで表記してあります)。

SNSやインターネットのホームページ等で正字・正かな表記をすると、「読めない」という苦情が殺到して結局新字・新かな表記にせざるを得なくなつた事例をよく耳にする。既に70年の歴史を経て、今や歴史的仮名遣いが読めない世代が圧倒的多数を占める現在、主張は読んでもらって何ぼなのだから、先ず相手の懐に入る為にも新字・新かなに妥協はやむを得ない。
posted by 國語問題協議會 at 22:44| Comment(0) | 市川浩