2016年10月03日

歴史的假名遣事始め (二十二) 市川 浩

クイズで遊ぶ歴史的假名遣(二十二(平成二十八年十月一日) 市川 浩

先月のクイズ解答
下記の所論に問題があるとすれば、その反論を御書き下さい。(問題の性質上、敢て新字・新かなで表記してあります)。

SNSやインターネットのホームページ等で正字・正かな表記をすると、「読めない」という苦情が殺到して結局新字・新かな表記にせざるを得なくなつた事例をよく耳にする。既に70年の歴史を経て、今や歴史的仮名遣いが読めない世代が圧倒的多数を占める現在、主張は読んでもらって何ぼなのだから、先ず相手の懐に入る為にも新字・新かなに妥協はやむを得ない。

この主張に對する反論の一例を擧げます。

自分が正しいと思ふ理念や政策に世間の理解を得て實現する過程で、妥協も必要であることは勿論です。正字・正かなを標榜しながら新字・新かなで仕事をしなければならないとか、出版社の方針に從はざるを得ないとか、現時點では内閣告示で新字・新かなが公認されてゐる以上涙を呑んででも妥協せざるを得ません。
しかし自分自身或いは志を同じうするグループや團體の書類、ホームページや著作刊行物では堂々と正字・正かなを實踐することも亦同じ内閣告示前書きで公認されてゐます。とは言へ「讀めない」などのクレームに、正字・正かなへの理解と同意を克ち取るには賢明な説明と説得が必要です。その意味でこのサイトで本年連載中の「反論例」が御役に立てばと思つてゐます。「讀めない」に對しては、例へば「高校全入」の時代、古文の教科で歴史的假名遣に觸れて、古典に親しんだことを思ひ出してもらふなどが考へられませう。

練習問題
下記の所論に問題があるとすれば、その反論を御書き下さい。(問題の性質上、敢て新字・新かなで表記してあります)。

今や世界はグローバル化の時代、電脳空間での受発信技術の進化について行けない言語が消滅の運命にあること、日本語も例外ではない。仮名遣いは一応四十八の仮名が使えるので「正かな」が可能だとはいえ、一旦「新かな」で入力、変換してから、仮名部分を打ち直すのが実態では、言語生活的にも、能率面で話にならないし、漢字のコード化も既にユニコードで統一され終つており、無理に「正漢字」を使おうとしてPDF化すれば何百倍ものメモリーを食い、経済的にも成立たないなどという事実を考えれば、或る意味どうでもよい表記問題を蒸し返すべきではない。
posted by 國語問題協議會 at 12:10| Comment(0) | 市川浩