三人寄れば人中(ひとなか)
三人寄れば文珠の智慧
三人旅の一人乞食
三人が集ればそこは人中、つまり公の場となつてしまふので、そこで言つたことばは祕密にはできないといふ意味です。智慧を出しあふのもそのゆゑでせう。
ところがその三人で旅をすると、その中の一人が窮乏するとか、仲間外れになることが起り勝ちだともいひます。
二對一となつてそこに對立關係が生れ、一人が彈きだされることが多いものです。
鼎談(ていだん)といふのは、主として食物の煮炊き用に用ゐられる青銅器鼎(かなへ)が三本足をしてゐるので、三人向ひあつて座談することを言ひます。若くしてなくなつた遠藤浩一さんは、三島由紀夫は鼎談に向いてゐたが福田恆存さんは對談(二人で向合つての座談)が秀逸だつたと言はれてゐました。思考パターンのそれぞれの違ひがよくわかります。
2020年04月19日
あやとり(17) 中谷信男
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| 中谷信男
2020年04月04日
日本語ウォッチング(29) 織田多宇人
波紋を投ずる
新聞等記事に「波紋を投ずる」と言ふ表現を見ることがある。波紋とは、水に物を投じたとき波が水面につくる模樣であり、影響と言ふ意味に用ゐられることが多い。波紋そのものを投ずると言ふのはをかしい。「波紋を生ずる」、「波紋を起す」、「波紋を及ぼす」、「波紋を擴げる」、「波紋を呼ぶ」と言ふ言ひ方は出來るが、いきなり「波紋を投ずる」は無理がある。
新聞等記事に「波紋を投ずる」と言ふ表現を見ることがある。波紋とは、水に物を投じたとき波が水面につくる模樣であり、影響と言ふ意味に用ゐられることが多い。波紋そのものを投ずると言ふのはをかしい。「波紋を生ずる」、「波紋を起す」、「波紋を及ぼす」、「波紋を擴げる」、「波紋を呼ぶ」と言ふ言ひ方は出來るが、いきなり「波紋を投ずる」は無理がある。
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| 織田多宇人