2021年04月29日

日本語ウォッチング(40)  織田多宇人

應待する
 「應待する」と言ふ言葉をよく見かける。別に問題ないやうに見えるが、これは「應對する」でなければならない。よく間違󠄂へられる熟語である。應對と似て「接待」と言ふ言葉がある。おそらく此の言葉に引きずられて「應待」と書いてしまふのだらう。「接待」は人をもてなすことであり、「應對」は人に受󠄁けこたへすることである。「對」には「こたへる」と言ふ意󠄁味があり、「待」には「もてなす」と言ふ意󠄁味がある。「表外よみ」だがそれぞれそのやうな訓讀みも出來る。
posted by 國語問題協議會 at 13:20| Comment(0) | 織田多宇人

2021年04月24日

國語のこゝろ(6)「傳統的󠄁な漢字やかなづかひについてアンケートを取ってみた」/押井コ馬

【主󠄁な漢字の新舊對應表】
傳(傳) 舊(旧) 對(対) 應(応) 藝(芸) 讀(読) 學(学) 覽(覧)

今回は特別篇です。
先月(2021年3月)、私の主宰するウェブサイト/文藝同人サークル「はなごよみ」にて、傳統的󠄁な漢字やかなづかひについて(讀み書き能力、どのやうに學んで書いてゐるか等)のアンケートを取りました。
その結果を下記のウェブサイトに揭載してゐますので、是非御覽下さい。

「正漢字(旧漢字)・歴史的仮名遣について」アンケート集計結果
posted by 國語問題協議會 at 12:15| Comment(0) | 押井コ馬

2021年04月10日

日本語ウォッチング(39)  織田多宇人

一生懸命
もともと主󠄁君から賜つた一箇所󠄁の知行地を命に懸けて大切にするということから「一所󠄁懸命」と言ふ言葉が生れたのだが、「一生懸命」と書く人が尠からずゐる。「一生懸命」では一生命を懸ける、と言ふ奇妙な意󠄁味にしかならない。「一生懸命」が行してゐる今日、その追󠄁放をなんとか一所󠄁懸命叫ばうともどうすることもできないかも知れない。しかしせめて、「一生懸命」と書く人に、これは「一所󠄁懸命」の訛(なまり)であることだけは知つて貰ひたいものである。
posted by 國語問題協議會 at 02:00| Comment(0) | 織田多宇人