2023年07月29日

かなづかひ名物百珍(28)「猿頰貝(Scapharca kagoshimensis)」/ア一カ

[猿頬貝]
 赤貝の一種。猿が食物を含み頰を膨らます樣に似るとも、貝の赤色ゆゑの命名ともいふ。
 「ほほ(頰)」は現代假名遣󠄁で「ほお」。よって國語辭典は「サルボオ貝」とする。しかしながら自然科學の分󠄁野では壓倒的󠄁に「サルボウ貝」が多い。カタカナ書きが常態で、語源や漢字の「頰」とは緣遠󠄁いのだらう。「澤庵漬」を「タクワン」と書くやうなものである。
[猿頬貝]
[頬白鮫]
 しかし鳥の「頰白(Emberiza cioides)」は「ホオジロ」、魚類の「頰白鮫(Carcharodon carcharias)」は「ホホジロザメ」が標準和名とされる。「ボウ」「ホオ」「ホホ」の三種類併󠄁存に矛盾を感じないだらうか。
posted by 國語問題協議會 at 08:00| Comment(0) | 高崎一郎

2023年07月22日

數學における言語(88) 中世~學論爭と數學-スコラ哲學前󠄁期󠄁(U)

 “普遍󠄁”とは“あまねくゆきわたる”といふ意󠄁味ですが、それは言ひ直せばプラトン的󠄁な“イデア”といふこともできます。なぜ“イデア”なのかはいましばらく措くとして、いささか粗雜な捉え方ですが“普遍󠄁論爭”をひと言で述󠄁べるならば、
   イデアの存在を肯定する立場(實念論または實在論=Realismus)
          と
   イデアの存在を否定する立場(唯名論=Nominalisme)
との間の論爭といふことができます。それはまた、
   種や類の存在が先(實在論)か個物の存在が先か(唯名論)
との論爭とも言へます。言ふまでもなく、前󠄁者がプラトンの、そして後者がアリストテレスの立場です。
 かうした問題がなぜキリストヘ~學と關係してくるのか、これについては私自身は餘り興味はありませんが、簡單に說明󠄁するとそれは“全󠄁人類の救濟問題”として浮󠄁上してくるやうです。すなはち、“實念論者”たちは以下のやうに考へます。アダムによつて墮落した“ヒト”がキリストによつて救はれるためには“人類”といふ“普遍󠄁槪念”が人間の“本質”として前󠄁提されてゐなければならない、それゆゑ、人類といふ“類”の存在は肯定されるべきで、もしそれを認󠄁めなければ、アダムの原罪もキリストの受󠄁難も、單に個々の事實に過󠄁ぎず、人類の救濟といふキリストヘのヘ義も無意󠄁味になる、といふわけです。それに對し“唯名論たち”は、アリストテレスに倣つて人間の類槪念は形相(eidos)として存在するのではなく(イデアとして存在するのではなく)、實在するのは多くの具󠄁體的󠄁個物であると考へます。このやうな考へ方を推し進󠄁めていくと、キリストヘの全󠄁人類救濟の普遍󠄁性は意󠄁味を失ひ瓦解していくことになります。實念論者と唯名論者の間に~學論爭が引き起󠄁こされる所󠄁以です。
 話はいささか道󠄁に逸れますが、學生時代の私はしばらくの間、キリストヘの“布ヘ活動”の意󠄁味が理解できませんでした(むしろ餘計な御世話だと感じてゐた)が、“布ヘ”は「“人類”といふ“普遍󠄁槪念”が人間の“本質”」として前󠄁提されてゐなければ不可能なことです。植民地その他のいろいろな政治的󠄁思惑があつたにせよ、“宣ヘ師”たちが異ヘ徒や非キリスト者に“キリストヘ”をヘへ廣めるなどといふことは、理屈の上では唯名論には難しいことに思はれます。個々の人間はすべてその考へ方が異なるといふのが“唯名論”の前󠄁提ですから。なお、普遍󠄁論爭はカソリック(普遍󠄁)とプロテスタントの論爭、またこんにちのグローバリズム(普遍󠄁主󠄁義)とナショナリズム(民族主󠄁義)の對立にまでにまでその影響を及󠄁ぼしてゐるやうな氣がしてゐます。前󠄁囘私は、中世キリストヘにおける普遍󠄁論がよく理解できないでゐたと記しましたが、實は“普遍󠄁論爭”のその切實さを、私はキリストヘの~學論爭から學んだわけではありません。種や類が存在するのか、いやそんなものは存在しないで存在するのは個々の具󠄁體的󠄁事物のみか、かうしたことを問題にした中世ヨーロッパの知性自體に感嘆せざるを得ませんが、數學屋の私はこの“普遍󠄁論爭”の深刻さを、實は“數學”を通󠄁してはじめて實感することになりました。私が驚くのは、~學論爭ではなく、その根柢にある議論の仕方、あるいは根本的󠄁視點、視座なのです。
 私が“普遍󠄁”の存在、非存在の問題に直面したのは、幾何學の論證問題を考へてゐるときです。たとへば、圓にまつはる證明󠄁問題を考へるとき、その圓は紙の上に書かれた個々の圓についての議論なのか、それとも“圓一般(圓のイデア)”についての論證なのかといふ問題です。もしその議論が、個々の圓についてのものあれば、別の圓についてはその議論はもはや無意󠄁味になりますが、數學屋は決してそんな風には考へません。圓とは一般に“1點から等距󠄁離にある點の集まり”と定義されますが、數學屋の議論は、このやうな“圓(イデアとしての圓)”に對して行はれてゐます。私が、“普遍󠄁論爭”に強い關心を抱󠄁き始めた切つ掛けは、正に“數學”にあるのです。      (河田直樹・かはたなほき)
posted by 國語問題協議會 at 11:00| Comment(0) | 河田直樹

2023年07月15日

學習󠄁漫畫『本字を知る樂しみ』制作裏話/押井コ馬

【主󠄁な漢字の新舊對應表】
學(学) 畫(画) 樂(楽) 舊(旧) 對(対) 應(応) 團(団) 體(体) 會(会) 覽(覧) 國(国) 竝(並) 嚴(厳) 發(発) 參(参) 當(当) ョ(ョ) 勞(労) 斷(断) 讀(読) 檢(検) 單(単) 經(経) 驗(験) 爲(為) 轉(転) 卷(巻) 醫(医) 區(区) 藝(芸) 觀(観) 圖(図) 變(変) 氣(気) 贊(賛) 豫(予) 兩(両) 關(関) 邊(辺) 圍(囲) 繪(絵) 數(数) 餘(余) 册(冊) 挾(挟) 聲(声) 屆(届) 辭(辞) 戰(戦) 實(実) 效(効) 豐(豊)

[百漢字 正字新字一覽表]
 本日、姉妹團體である文字文化󠄁協會のウェブサイトにて『百漢字 正字新字一覽表』のPDFファイルを無償公開しました。

■正漢字100字運󠄁動の成󠄁果が學習󠄁漫畫に
 この表は、國語問題協議會の有志により進󠄁められてきた「正漢字100字運󠄁動」の成󠄁果です。近󠄁年は見る機會も少くなった「新舊字體對照表」つまり新漢字と舊漢字(正漢字)を竝べた表ですが、まづは嚴選󠄁百字を憶えませう、といふものです。
[初期󠄁の百字案]"
 初期󠄁の百字案は、故・石井公一カ氏が『國語國字』第202號(平󠄁成󠄁26(2014)年11月󠄁發行)に書いてゐますが、そこから案が練り直され、最終󠄁的󠄁に、文字文化󠄁協會發行の學習󠄁漫畫『本字を知る樂しみ あるある100漢字』で紹介された百字となりました。
 なほ、私がその「正漢字100字運󠄁動」に參加したのはだいぶ後、令和3(2021)年2月󠄁のことです。當時、國語問題協議會の會長で文字文化󠄁協會の理事長でもあった、故・谷田貝常夫氏から『こんな漫畫を出版したいのだが、現在制作が止まってゐるので、最後まで仕上げて欲しい』と依ョされたのが始まりでした。有難い事に、外部の業者に委託して制作していただいた漫畫の原稿は百字分揃ってゐました(漫畫の制作にはかなり多額の費用が掛かりますが、その分をどなたかが匿名で寄附してくださったとの事です。感謝してもしきれません)。制作會社の方も、監修者の谷田貝先生の嚴しいチェックにパスするまで何度も描き直してくださったらしく、ご苦勞をお掛けしました。私の仕事は、そんな苦勞の結晶である印刷用原稿をいただいてチェックするところから始まったのですが、幸ひ、私にとっても慣れた手法、つまりPhotoshopによる畫像をIllustratorに貼り附けてセリフや解說文等を入れるといふ王道󠄁で作られてゐました。そして、中斷してゐたこのプロジェクトが息を吹き返󠄁しました。

■順番を入替へよ
 ところで、初期󠄁の百字案をよく見ると、漢字の讀み順になってゐます(また、何文字かは初期󠄁案から入替へられてゐます)。谷田貝先生に「現代仮名遣いの讀み順ですが、歷史的󠄁かなづかひ順に直しますか? それとも別の順番にしますか?」と聞いてみた事が切っ掛けで、順番も再檢討する事になりました。
 そこで私は「公文式ドリルのやうな方式にしませんか?」と提案してみました。私も子供時代に少しやった事がありますが、公文式ドリルは「簡單な問題から始めて自信を附け、次󠄁第に難易度が高くなっていく」ものです。コンピュータのRPG(ロールプレイングゲーム)も、最初は解說や簡單な任務から始まり、經驗を積むにつれ次󠄁第にレヴェルが上がって難易度も高くなります。それに倣った「レヴェルアップ方式」を採󠄁用した方が、子供達󠄁には、いや大きなお友達󠄁にとっても樂しく讀み進󠄁められるはずです。
 當時私が順番の入替へを檢討する爲に作成󠄁したExcelファイルが發掘されたので、そこから轉載します。
通し番號分類内容正漢字新漢字備考
1導入部ロックグループ「氣志團」
2導入部身近な字でもある
3導入部醫院名
4導入部人名
5身近な字と應用人名
6身近な字と應用人名
7身近な字と應用驛の看板
8身近な字と應用横濱の看板や土産
9身近な字と應用映畫「聲の形」
10身近な字と應用ロックグループ「氣志團」
11身近な字と應用「團」の應用
12身近な字と應用新聞の題字
13身近な字と應用新聞の題字
14身近な字と應用新聞の題字
15身近な字と應用大學名
16身近な字と應用人名
17身近な字と應用會社名
18身近な字と應用會社名
19身近な字と應用會社名
20身近な字と應用雜誌名
21身近な字と應用懷古趣味的作品
22身近な字と應用證券會社名
23身近な字と應用麻雀
24身近な字と應用麻雀、人名、醬油
25身近な字と應用人名
26身近な字と應用人名
27身近な字と應用人名
28身近な字と應用人名
29身近な字と應用寿人名、縁起物
30身近な字と應用噺家、人名
31身近な字と應用
32身近な字と應用人名
33身近な字と應用店名
34身近な字と應用寺院
35身近な字と應用會社名
36身近な字と應用当用漢字
37ツで省略
38ツで省略
39ツで省略
40ツで省略酒の名前
41銭の右側人名
42口二つを省略
43検の右側
44九で省略
45九で省略
46メで省略
47点四つで省略
48点四つで省略
49米で省略
50米で省略
51米で省略
52数の左側
53変の上側
54変の上側
55ツを省略
56一部画を省略「濁」の旁と同じ
57一部画を省略山縣有朋でおなじみ
58一部画を省略
59一部画を省略
60一部画を省略
61一部画を省略
62一部画を省略
63一部画を省略
64一部画を省略
65一部画を省略
66一部画を省略
67一部画を省略人名
68その他・難易度低
69その他・難易度低
70その他・難易度低將棋の駒
71その他・難易度低「將」の偏と同じ
72その他・難易度低
73その他・難易度低
74その他・難易度低
75その他・難易度低
76その他・難易度低
77その他・難易度低
78その他・難易度低
79その他・難易度低
80その他・難易度低
81その他・難易度低
82その他・難易度高「暇」の旁と同じ
83その他・難易度高右翼の街宣車「國體護持」
84その他・難易度高縁起物
85その他・難易度高
86その他・難易度高そば屋「そば處」
87その他・難易度高
88その他・難易度高
89その他・難易度高寫眞店
90その他・難易度高人名
91その他・難易度高
92その他・難易度高
93その他・難易度高
94その他・難易度高人名
95その他・難易度高
96その他・難易度高
97その他・難易度高「惨憺」の「憺」と同じ旁
98その他・難易度高
99その他・難易度高
100その他・難易度高


■「かくしがまへ」へのこだはり
 『本字を知る樂しみ あるある100漢字』の卷末の百字一覽は、私が表を作成󠄁したのですが、谷田貝先生から「違󠄂ふ」と指摘された字が二つありました。「醫」と「區」です。一般的󠄁なフォントでは「はこがまへ(匚構󠄁へ)」なのですが、漫畫本文の印刷用原稿ではきちんと「かくしがまへ(匸構󠄁へ)」になってゐました。どうしてこんな藝當が出來るのかとよく觀察すると、テキストではなく圖形として描かれてゐました。確かに、フォントにない文字はこのやうに作るしかありません。私も同じ方法で表を完成󠄁させました。
[かくしがまへ]
 「匠」は「はこがまへ(匚構󠄁へ)」、「區」は「かくしがまへ(匸構󠄁へ)」で書かれる文字です。一般的󠄁なフォントでは@Aのやうにどちらも「はこがまへ」で書かれます。近󠄁年のフォントはIVS(異體字セレクタ)で指定すると「かくしがまへ」の字形が出る場合もあり、「小恂セ󠄁朝󠄁」や、この表で使󠄁用した「リュウミン」フォントなど、Adobe-Japan1-4以降に對應したフォントの場合はBの形、IPAmj明󠄁朝󠄁の場合はCの形の字形が出せます。なほ、康煕字典ではDEの形になり、活字體では左下が尖ってゐるか丸いかよりも、上の棒が左にはみ出てゐるかどうかの方が重視されるやうです。

■「正字」か「本字」か
 晩年の谷田貝先生は、いはゆる「舊字・舊かな」を「正字・正かな」と呼んで擁護する者が、世間からまるでカルト信者でもあるかのやうに白眼視されてゐる事を、大變氣にしてらしたやうです。令和2(2020)年秋に國語問題協議會の會長になった時に始めた「『正字・正かな』ではなく『本字・本かな』と呼ばう」といふ呼び掛けの背後には、きっとこの心配があったのでせう。私個人はこの意󠄁見ばかりはどうしても贊同出來なかったのですが、それでも谷田貝先生の要󠄁望󠄂通󠄁り、本の原稿の「正字」といふ言葉を「本字」に置き換へました。當初豫定してゐた『正字を知れば漢字が樂しい』といふ題名も改名する事になったのですが、谷田貝先生發案の『本字(左ルビ:もとのじ、右ルビ:ホンジ)を知る樂しみ』といふ題名は、簡潔󠄁になっただけでなく、ルビが兩側に入ってこそ秀逸なものになりました。
 なほ、觀察力の銳い方はお氣附きかも知れませんが、唯一、漫畫の登場人物「正子先生」の名前󠄁だけは、「本子先生」にならずそのまま殘りました。

■位置調󠄁整が難關
 Amazon POD(プリント・オン・デマンド)の場合、天地小口(上・下・開く邊)は仕上がり線から6.4mm、ノド(綴ぢる邊)は仕上がり線から12.7mmまでの範圍內には、切れてはいけない文字や繪は入れられないさうです。このチェックで引っ掛かる頁があちこちにあり、修正が大變でした。
 6.4とか12.7とか中途󠄁半󠄁端な數字ですが、米國生れのシステムなので、1/4インチとか1/2インチのやうです。ちなみに塗り足しの餘白(頁の端一杯に繪を入れる場合、用紙サイズより大きく餘裕をもって描いておくためのスペース)も、日本で標準的󠄁な3mmではなく、3.2mmつまり1/8インチでした。
 ヤードポンド法と尺貫法は滅びろって? 私はコンピュータ技術󠄁者なのでヤードポンド法と仲良くするし、大工仕事やお米を炊く時は尺貫法とも仲良くしますよ。

■電子版がまだ出てゐない理由
 當初は、册子版と電子版で違󠄂ふヴァージョンにすることを計畫してゐました。現在發行されてゐる册子版では、各文字每に短い文章で解說が附いてゐますが、實際には谷田貝先生により長めの解說文も或程󠄁度執筆されてをり、それが纏まったところで、漫畫の頁+長い解說の頁+次󠄁の漫畫の頁+次󠄁の長い解說の頁、と解說文をサンドウヰッチのやうに挾み込󠄁む電子版を後から出す事を豫定してゐました。ところが、册子版の發行後、肝腎の谷田貝先生が急󠄁速󠄁に體調󠄁を崩󠄁して入退󠄁院を繰り返󠄁し、解說文が未完成󠄁のまま、一年經たないうちに亡󠄁くなってしまひました。册子版がまさか谷田貝先生の遺󠄁作にならうとは思ってもみませんでした。
 このやうなわけで、殘念ながら册子版を膨らませた內容の電子版を出す計畫は中斷してゐます。また、電子書籍の書店としても、册子版と電子版で內容が著しく異るのはあまり好ましくないやうです。しかし、電子版を期󠄁待する聲もありますし、故・石井先生が種を蒔き、故・谷田貝先生をはじめ何人もの方が育ててくださった「正漢字100字運󠄁動」の成󠄁果をより多くの人に屆けたいといふ夢もあります。まづは册子版と同じヴァージョンの電子版だけでも出せないか、現在檢討中です。

■新舊字體對照表の存在を知って欲しい
 私がいはゆる「舊漢字」の存在を意󠄁識したのは小學生の頃でしたが、それは父の持ってゐた角川國語辭典(ちなみに編󠄁者の一人である久松󠄁潛一氏は國語問題協議會の會報『國語國字』第41號に「國語の學習󠄁について」と題する記事を書いてをり、當時は國語問題協議會の評󠄁議員でした。また、林武氏、sc恆存氏、市原豐太氏、宇野沿齊≠ニ共に、國語問題協議會主󠄁催「國語問題懸賞論文」の審査員を務めました(『國語國字』第73、79、85、91號參照)……と書くと、正漢字や歷史的󠄁かなづかひが見出し語の後に書かれたこの便利な國語辭典の背景がわかる氣がします)に、當用漢字・常用漢字の後に正漢字が載せられてゐるのを見たり、新舊字體對照表も見た事がありました。更に大切な事として、私の祖父母世代は戰後四十年近󠄁く經っても正漢字や歷史的󠄁かなづかひで書く人が少なからずゐて、我々は書かないまでもそれに親しんできました。
 時は過󠄁ぎ、今ではその歷史が忘󠄁れられつつありますが、實は若い世代こそ「新舊字體對照表」を求めてゐます。若い世代に『百漢字 正字新字一覽表』を配ると、大抵「この資󠄁料が欲しかった!」ととても喜ばれるものです。「これまでたまに見掛けた、學校󠄁では習󠄁はない文字の謎」を解き明󠄁かす「鍵󠄀」だからです。そしてその「鍵󠄀」は、漢字を更に深く知り、效率󠄁良く整理して憶える助けになり、そして私達󠄁の國語を豐かにする助けになるものです。
posted by 國語問題協議會 at 19:45| Comment(0) | 押井コ馬