制肘を加へる
「制肘を加へる」と言ふ文章を見たがこれは「掣肘」と書くべき。「制」も「掣」も音󠄁は「セイ」だが、訓は「制」は「おきて」、「掣」は「ひく」である。「制」には「おきて、ととのへる、おさへる」等の義があり、「制度、制令、制定、統制、制壓、抑制」を始め多くの熟語があるが、「掣」には「掣肘」以外に一般的󠄁な熟語はない。「掣肘」は中國の故事から出た熟語で、人の肘を掣いて自由を妨げること、つまり、脇から干涉して自由な行動を妨げる意󠄁に用ゐられる。「制」には「おさへる」意󠄁があるので間違󠄂ひ易いが、やはり正しく「掣肘」と書いて貰ひたい。
2024年01月13日
日本語ウォッチング(66)「制肘を加へる」/織田多宇人
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| 織田多宇人
2024年01月07日
かなづかひ名物百珍(33)「おしくらごう」/ア一カ
![[おしくらごう]](http://kokugomondaikyo.sakura.ne.jp/sblo_files/kokugomondaikyo/image/E3818BE381AAE799BE033E3818AE38197E3818FE38289E38194E38186b-thumbnail2.jpg)
![[おしくらごう]](http://kokugomondaikyo.sakura.ne.jp/sblo_files/kokugomondaikyo/image/E3818BE381AAE799BE033E3818AE38197E3818FE38289E38194E38186a-thumbnail2.jpg)
山口縣萩市玉江浦における和船競漕の傳統行事。嚴島~社の例祭に開かれる。起󠄁源は不明󠄁だが少くとも江戶時代中期󠄁に溯り、一說に毛利水軍のすゑとも言ふ。玉江浦は萩城の西、萩川(阿武川)河口に位置する。
「おしくら」は「押しくら(競)べ」の轉とされるが、「ごう」の由來は未詳といふ他ない。
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| 高崎一郎