高見の見物
「高見の見物」と書かれてゐることが多い。「たかみのけんぶつ」とは。安全󠄁な高い所󠄁から低い所󠄁の騷ぎ等を見物すること、局外にあつて騷ぎを傍觀し關係しないことだが、「高みの見物」と書く可きである。現在は餘り用ゐられてゐないが強ひて漢字をあてれば「高處の見物」。「高見の見物」では意󠄁味が通󠄁らない。「遠󠄁見(とほみ)」が遠󠄁方を見ることであるやうに「高見」では高い所󠄁を見ることだと受󠄁取られかねない。
2024年09月27日
日本語ウォッチング(71)「高見の見物」/織田多宇人
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| 織田多宇人
2024年09月20日
かなづかひ名物百珍(39)「役小角(えんのをづぬ)」/ア一カ
![[役小角]](http://kokugomondaikyo.sakura.ne.jp/sblo_files/kokugomondaikyo/image/E3818BE381AAE799BE039E5BDB9E5B08FE8A792a-thumbnail2.jpg)
飛鳥時代の行者で各地の修驗道󠄁の開祖。實在とされるが、事蹟の多くは後世の~格化󠄁による。「~變大菩薩」はェ政年間の諡號。
姓の「役」を「エン」と讀むのは字音󠄁「エキ」の變化󠄁であらう。「エキ+立ち=えだち(役)」や「エキ+病み=えやみ(疫)」の如く、意󠄁外な言葉に字音󠄁の痕跡が殘ってゐる。「いらつめ(カ女)」など純粹な和語であるが、「カ(ラング)」の字音󠄁を「いら」に宛てたものといふ。
![[役小角]](http://kokugomondaikyo.sakura.ne.jp/sblo_files/kokugomondaikyo/image/E3818BE381AAE799BE039E5BDB9E5B08FE8A792b-thumbnail2.jpg)
現行の辭書類では槪ね「小角」を「おづぬ」と表記する。しかし一般には「おずぬ」も散見する。たとへば地酒の銘柄󠄁「小角」など、販賣店により「おずの」「おずぬ」「をづぬ」と樣々で、どれが本當かわからない。單純に手許の辭書を參照した結果なのかもしれない。
![[役小角奈]](http://kokugomondaikyo.sakura.ne.jp/sblo_files/kokugomondaikyo/image/E3818BE381AAE799BE039E5BDB9E5B08FE8A792cE5B08FE8A792E5A588-thumbnail2.jpg)
「役小角奈」は「六十三代目役行者」の設定による「ご當地萌えキャラクター」らしい。こちらは「おづな」。またその從姉妹「役追󠄁儺」は「ついな」と、今風の工夫に感心しつつできれば「をづな」でありたかった。
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| 高崎一郎
2024年09月14日
本作りは大人の自由硏究/押井コ馬
本日午前󠄁、木更津驛東口の圖書室「FLAT」にて、「本作りは大人の自由硏究」と題した短い講󠄁演を行ひました。
私は自分で制作した手作りの本をここの本棚󠄁に置いてゐます。それは歷史的󠄁かなづかひによる本なのですが、なぜ出版社に發行してもらはず手作りせざるを得ないのか、いはゆる「舊字・舊かな」が絕滅の危機にある現狀、その危機をコンピュータの力で解決しよう、そして「舊字・舊かな」に親しむ人が揩ヲると、地元の歷史資󠄁料もそのまま讀めて、更に親しみが湧く、といふ話を行ひました。
その際に投影したスライドを公開します。
本作りは大人の自由硏究
私は自分で制作した手作りの本をここの本棚󠄁に置いてゐます。それは歷史的󠄁かなづかひによる本なのですが、なぜ出版社に發行してもらはず手作りせざるを得ないのか、いはゆる「舊字・舊かな」が絕滅の危機にある現狀、その危機をコンピュータの力で解決しよう、そして「舊字・舊かな」に親しむ人が揩ヲると、地元の歷史資󠄁料もそのまま讀めて、更に親しみが湧く、といふ話を行ひました。
その際に投影したスライドを公開します。
本作りは大人の自由硏究
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| 押井コ馬