2015年11月04日

歴史的假名遣事始め (十一) 市川 浩

クイズで遊ぶ歴史的假名遣(十)(平成二十七年十一月一日) 市川 浩

先月のクイズ解答
翁、中、隆、弓、宮 をう、ちゆう、りゆう、きゆう、きゆう 東韻
元、原、園、猿、媛 ぐゑん:ぐわん、ぐゑん、ゑん、ゑん、ゑん 元韻
長、良、唐、岡、商 ちやう、りやう、たう、かう、しやう 陽韻
優、郵、牛、秋、鴎 いう、いう、ぎう、しう、おう 尤韻

字音假名遣を初めて體系的に明らかにしたのは、本居宣長です。宣長は契冲の假名遣に對する功績を讚へ、それを補完する形で「字音假字用格」を著しました。漢土の韻書を參考にしたこの假名遣は歴史的假名遣の中で重要な地位を確保して、今日に至つてゐます。たゞ
契冲の古文獻重視の立場から、戰後特に訓點資料といつて、書物に句讀點や返り點を始め、送假名や振假名を書込んだものの調査が進んで、幾つかの點で修正が必要となりました。その主なものは
一、「粹」、「追」、「唯」、「累」などス、ツ、ユ、ル に「ヰ」を伴ふ字音は全て「イ」、
スヰ→スイ、ツヰ→ツイ、ユヰ→ユイ、ルヰ→ルイ、
二、發音「ン」を伴ふ字音は「ン」と「ム」と區別、安、鞍「アン」、暗、庵「アム」
三、カ・ガ行音、カ・ガとクワ・グワ、キ・ギとクヰ・グヰ、ケ・ゲとクヱ・グヱを區別
可・賀「カ・ガ」、化・瓦「クワ・グワ」、機・義「キ・ギ」、鬼・僞「クヰ・グヰ」
氣・下「ケ・ゲ」、卦・華「クヱ・グヱ」
の三つです。

練習問題
字音假名遣が主題です。下記の文字の音をを歴史的假名遣表記で假名書きして下さい(問題の性質上一部慣用の宛字漢字を使つたり、送り假名を省略したりしてをります)。

腰椎、羊水、用心、洋品店
原因、縣廳、監視、自衞權
危險、狂犬、軌道、活火山
滿月、干潮、蹂躙、腦血管
posted by 國語問題協議會 at 09:44| Comment(0) | 市川浩
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: