クイズで遊ぶ歴史的假名遣(三十六)
先月のクイズ解答
問題
本年一月から十一囘かけて白石良夫著「かなづかい入門」の批判を行つて來ました。全體を通しての感想、批判を纏めてみて下さい。
感想の一例を擧げます。
本書の著者白石良雄氏は御自身の信念もさることながら、結果として文部科學省主任教科書調査官の立場から、同省の政策推進の一貫として、現代假名遣の效用に學問的知識の衣を着せて本書を刊行したと考へられます。このことはそれらが私のやうな正規の國語學者にあらざる者でさへ容易に批判できたことからも明らかでありませう。
しかし重要なことは、言はば領土や國民の生命財産の專守防衞に徹することが國の政治の本質であるやうに、國語問題に於ても正字・正かなの實踐と傳承に徹することが本質であり、之に對する本書や之に類する「國語改革」論の攻撃があれば、即座に斷乎として正論を以て論破するための自衞戰力を、この十二囘に限らず其の前からもこの「日本語あやとり」の中で提示して來た積りです。
一方本格的論戰は福田恆存先生その他の御努力で、正かな派の勝利が確定してゐますが、現在は本書のやうに一見學術的な、但し「私の國語教室」は引用はをろか、參考文獻の一覽にさへも取上げてゐないといつた論法での正かな批判は寡くなり、寧ろ出版社の「賣れない」、SNSでの「難しい」、「讀めない」といつた感情論的攻撃が主流になつてゐます。
從つて我々は之に對する批判、反論を準備しなければなりません。來年の本欄ではこの問題に焦點を當てたいと思ひます。
2017年12月06日
歴史的假名遣事始め (三十六) 市川 浩
posted by 國語問題協議會 at 22:24| Comment(0)
| 市川浩
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