言葉は時代とともに變化して行くと言ひますが、「ちよつとそれは無いでせう」と言ふケースが少なくないと感じます。いくつか例を挙げてみます。一緒に考へて行きませう。
一日中喧嘩のしつぱなし
「あの二人が結婚したら、きっと一日中喧嘩のしつぱなしよ」といふやうな言ひ方をテレビドラマで聽くことがあるが、「一日中喧嘩のしつぱなし」はをかしい。「・・・・・・・ぱなし(放し)」と言ふのは、始末をつけずにそのまま放つて置くことであり、「貰ひつぱなし」と言へば、お返しもせず一方的に貰つたまゝにしてゐると言ふことになる。
だから「喧嘩のしつぱなし」と言ふこともある譯で、喧嘩したまゝ仲直りもしてゐないと言ふ意味になる。ただ、上に「結婚したら」とか「一日中」とあるためにをかしいのである。おそらく「一日中喧嘩のしどほし」と言ひたかつたのであらう。「しつぱなし」と「しどおし」では意味が大違ひであり、「書きつぱなし」と「書きどおし」とは使ひ分けなければいけない。「國語國字」も「讀みつぱなし」にしないでください。
2018年04月16日
日本語ウォッチング(1) 織田多宇人
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| 織田多宇人
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