意󠄁固地、依怙地、どちらを書いてゐますか
「当用漢字」にないからと言ふ理由で別の漢字にしてしまひ、いつのまにかそちらの方が主󠄁流になつてしまふことがままある。「意󠄁固地」などもその例だらう。「依怙地」の「怙」が「当用漢字」にないため、新聞紙上では「意󠄁固地」となり、いつの間にかこれが主󠄁流になつてしまつた感がある。今の辭書には「意󠄁固地」が載つてゐるが、昭和三十五年發行の『廣辭苑』(第一版)には「依怙地」とあるだけで「意󠄁固地」など出てゐない。『新潮󠄀國語辭典』(昭和四十年發行)、『角川國語中辭典』(昭和四十八年發行)も全󠄁く同じである。「当用漢字」を尊󠄁重する立場にある新聞社として「依怙地」と書けないなら、依怙地(いこじ)または依怙地とするか、平󠄁假名で書くか、あるいは全󠄁く別の言いまわしを使󠄁ふかすべきであらう。
2021年03月20日
日本語ウォッチング(38) 織田多宇人
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| 織田多宇人
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