緩󠄁漫な動き
「緩󠄁漫な動き」などと誤󠄁記を見ることがあるが、これは「緩󠄁慢」でなければならない。「緩󠄁慢(かんまん)」とは「ゆつくりしてのろいこと」だが、「緩󠄁」は音󠄁が「カン」で訓が「ゆるい」であり、緩󠄁慢以外に「緩󠄁和、緩󠄁急󠄁、緩󠄁衝地帶、弛緩󠄁」などの熟語を作る。「漫」も「慢」も音󠄁は同じく「マン」だが、どちらも常用の訓はない。
「漫」には、@「しまりがない、けじめがない、みだりに」の意󠄁では、「漫評󠄁、散漫、放漫、冗漫」などの熟語を作り、A「わけもなく、深い考えがあるのでない、そぞろに」の意󠄁では「漫然、漫步、漫遊󠄁、漫筆、漫畫、漫談」などの熟語を作る。
「慢」には@「他を輕んじて自らをよしとする、たかぶる」の意󠄁では、「慢心、傲慢、自慢、高慢」などの熟語を作り、A「進󠄁みがのろい、だらだらと長びく」の意󠄁では、「怠慢、緩󠄁慢」などの熟語を作る。
「さんずい」と「りっしんべん」の違󠄂ひはあるものの、多少意󠄁味が似てゐるので注󠄁意󠄁が必要󠄁である。
2022年05月31日
日本語ウォッチング(51) 織田多宇人
posted by 國語問題協議會 at 18:40| Comment(0)
| 織田多宇人
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