2023年03月11日

かなづかひ名物百珍(24)「なじょもん」/ア一カ

[なじょもん]
 新潟縣中魚沼郡津南町にある「津南町農と繩文の體驗實習󠄁」。繩文時代の生活再現と學習󠄁テーマパークである。「ジョウモン(繩文)」と、それから方言の「なぢょも(ぜひ〜してください)」を組み合せた命名といふ。やや距󠄁離はあるが、「島の娘はなぢょして泣いた」で有名な「ひばりの佐渡情󠄁話(昭和三十七年)」の一節は同じ新潟縣が舞臺である。壽々木米若の浪花󠄁節「佐渡情󠄁話」の流れである。
[佐渡情話]
 「なぢょ」は奧窒ノ廣く分布する方言で、元は『竹取物語』にも用例のある古い言葉である。何といふ→何てふ→なでふ→なぢょ、と變化󠄁してきた。宛字で「何條(でう)」とも書くが、假名遣󠄁は合はない。

 「なぢょ」と「ジョウモン」の合成󠄁とすれば、假名遣󠄁はどうあるべきなのだらう。由來が明󠄁確であるがゆゑに假名遣󠄁の疑念が生じる語の典型例といへよう。
posted by 國語問題協議會 at 09:45| Comment(0) | 高崎一郎
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