2024年12月03日

かなづかひ名物百珍(41)「いづめこ」/ア一カ

[いづめこ]
 山形縣鶴岡市のク土玩具󠄁。本來「詰籠(いづめこ)」とは農作業でを携帶するため藁を編󠄁んだ保溫籠の稱。寒󠄁さよけのためこれに幼兒を入れて育てる習󠄁慣から、大正時代に創作された。「いづみ」とも。現在、「いずめこ」表記はほとんど見られない。

[いづめこ]
[いづめこ]
 類似の育兒用防寒󠄁具󠄁は東北地方に分布し、「イズメ・イズミ・イジコ・エズコ・フゴ・ツブラ・ツグラ」などさまざまに呼ばれる。「いづみ」は「いづめ」の變。「イジコ」「エズコ」も「いづめこ」の變、もしくは「嬰兒籠」とされるが「嬰兒」は日常語として硬すぎる表現に思はれる。

 「ふご(畚)」は「もっこ(簣)」や「びく(魚籠)」と同義。「畚」は「辨+田」から成󠄁る漢字で、「參(參)」との繫がりは無い。「つぶら」「つぐら」は「つぶ(圓)ら」の意󠄁であらうか。
posted by 國語問題協議會 at 18:40| Comment(0) | 高崎一郎
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