クイズで遊ぶ歴史的假名遣(二十四)
先月のクイズ解答
練習問題
下記の所論に問題があるとすれば、その反論を御書き下さい。(問題の性質上、敢て新字・新かなで表記してあります)。
「グローバル化」には言語の共通化が避けて通れない。嘗ては世界語としてエスペラントが唱えられたが、主として英語圏に於けるコンピュータソフトの開発がグローバル化して、今や英語または中国語が世界語になる趨勢にある。小学校での英語の必修が求められ、そのため国語の授業が減るのも止むを得ない。そんな時代に漢字や仮名遣いにこだわっていては日本が孤立化してしまうのではないか。
この主張に對する反論の一例を擧げます。
この主張は實は既に良心的な知識人や其の家庭がかなりの割合で共有してゐるやうなのです。我が國は多神教の國であり、宗教の多樣性を認める一方、「地球は皆兄弟」と謂はゆるグローバル化への憧れも強いことは事實です。しかしこの世界統一の最大の問題は既存の特定文化への統一が避けられず、其の場合當該文化を有しない民族又は國家が特別の重荷を擔ふ必要があることです。現にグローバル化が進んでゐる金融資本市場やIT分野では、既に其の分野での先進國が壓倒的に有利な竸爭を展開してゐます。「世界共通の言語」といへば耳に聞えはよいが、日本語がそれに當らない現状では寧ろ靜かに國語の洗煉に注力すべきなのです。表記を含め、書き言葉獨立の否定と敬語(特に皇室)の破壞といふ、戰後「國語改革」の傷跡を先づ瘉さなければならないからです。
練習問題
下記の所論に問題があるとすれば、その反論を御書き下さい。(問題の性質上、敢て新字・新かなで表記してあります)。
ルビは漢字の訓みを示す優れた方法であるが、これこそは表音式が相応しいのではないか。古例にこだわつて字音仮名遣いなどでルビを振つたのでは、ルビの用をなさない。今は旧かなの仮名に振つて効果を上げているではないか。
2016年12月09日
歴史的假名遣事始め (二十四) 市川 浩
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| 市川浩
2016年11月07日
歴史的假名遣事始め (二十三) 市川 浩
クイズで遊ぶ歴史的假名遣(二十三)
先月のクイズ解答
練習問題
下記の所論に問題があるとすれば、その反論を御書き下さい。(問題の性質上、敢て新字・新かなで表記してあります)。
今や世界はグローバル化の時代、電脳空間での受発信技術の進化について行けない言語が消滅の運命にあること、日本語も例外ではない。仮名遣いは一応四十八の仮名が使えるので「正かな」が可能だとはいえ、一旦「新かな」で入力、変換してから、仮名部分を打ち直すのが実態では、言語生活的にも、能率面で話にならないし、漢字のコード化も既にユニコードで統一され終つており、無理に「正漢字」を使おうとしてPDF化すれば何百倍ものメモリーを食い、経済的にも成立たないなどという事実を考えれば、或る意味どうでもよい表記問題を蒸し返すべきではない。
この主張に對する反論の一例を擧げます。
電腦空間といふ當に「グローバル化」への對應に日本語が、特に正字・正かなが惡戰苦鬪してゐることは事實です。しかし嘗て日本語タイプライターが如何に不便かと漢字廢止を唱へてゐたことがあつたことを想起すべきです。技術的なことは其の氣になれば解決可能なのです。現にPDFのサイズを劇的に小型化する技術もあります。たゞ殘念なことに電腦技術の發展が如何しても英語中心で日本語の特殊性が餘り考慮されずに開發が進む傾向は否めません。しかし日本のシステム技術者がその氣になれば問題はかなり解決するでせう。特にJIS第四水準まで實裝の規格化、キーボードの「ゐ」「ゑ」の假名キー設置等は早い實現が望まれます。
練習問題
下記の所論に問題があるとすれば、その反論を御書き下さい。(問題の性質上、敢て新字・新かなで表記してあります)。
「グローバル化」には言語の共通化が避けて通れない。嘗ては世界語としてエスペラントが唱えられたが、主として英語圏に於けるコンピュータソフトの開発がグローバル化して、今や英語または中国語が世界語になる趨勢にある。小学校での英語の必修が求められ、そのため国語の授業が減るのも止むを得ない。そんな時代に漢字や仮名遣いにこだわっていては日本が孤立化してしまうのではないか。
先月のクイズ解答
練習問題
下記の所論に問題があるとすれば、その反論を御書き下さい。(問題の性質上、敢て新字・新かなで表記してあります)。
今や世界はグローバル化の時代、電脳空間での受発信技術の進化について行けない言語が消滅の運命にあること、日本語も例外ではない。仮名遣いは一応四十八の仮名が使えるので「正かな」が可能だとはいえ、一旦「新かな」で入力、変換してから、仮名部分を打ち直すのが実態では、言語生活的にも、能率面で話にならないし、漢字のコード化も既にユニコードで統一され終つており、無理に「正漢字」を使おうとしてPDF化すれば何百倍ものメモリーを食い、経済的にも成立たないなどという事実を考えれば、或る意味どうでもよい表記問題を蒸し返すべきではない。
この主張に對する反論の一例を擧げます。
電腦空間といふ當に「グローバル化」への對應に日本語が、特に正字・正かなが惡戰苦鬪してゐることは事實です。しかし嘗て日本語タイプライターが如何に不便かと漢字廢止を唱へてゐたことがあつたことを想起すべきです。技術的なことは其の氣になれば解決可能なのです。現にPDFのサイズを劇的に小型化する技術もあります。たゞ殘念なことに電腦技術の發展が如何しても英語中心で日本語の特殊性が餘り考慮されずに開發が進む傾向は否めません。しかし日本のシステム技術者がその氣になれば問題はかなり解決するでせう。特にJIS第四水準まで實裝の規格化、キーボードの「ゐ」「ゑ」の假名キー設置等は早い實現が望まれます。
練習問題
下記の所論に問題があるとすれば、その反論を御書き下さい。(問題の性質上、敢て新字・新かなで表記してあります)。
「グローバル化」には言語の共通化が避けて通れない。嘗ては世界語としてエスペラントが唱えられたが、主として英語圏に於けるコンピュータソフトの開発がグローバル化して、今や英語または中国語が世界語になる趨勢にある。小学校での英語の必修が求められ、そのため国語の授業が減るのも止むを得ない。そんな時代に漢字や仮名遣いにこだわっていては日本が孤立化してしまうのではないか。
posted by 國語問題協議會 at 11:18| Comment(0)
| 市川浩
2016年10月03日
歴史的假名遣事始め (二十二) 市川 浩
クイズで遊ぶ歴史的假名遣(二十二(平成二十八年十月一日) 市川 浩
先月のクイズ解答
下記の所論に問題があるとすれば、その反論を御書き下さい。(問題の性質上、敢て新字・新かなで表記してあります)。
SNSやインターネットのホームページ等で正字・正かな表記をすると、「読めない」という苦情が殺到して結局新字・新かな表記にせざるを得なくなつた事例をよく耳にする。既に70年の歴史を経て、今や歴史的仮名遣いが読めない世代が圧倒的多数を占める現在、主張は読んでもらって何ぼなのだから、先ず相手の懐に入る為にも新字・新かなに妥協はやむを得ない。
この主張に對する反論の一例を擧げます。
自分が正しいと思ふ理念や政策に世間の理解を得て實現する過程で、妥協も必要であることは勿論です。正字・正かなを標榜しながら新字・新かなで仕事をしなければならないとか、出版社の方針に從はざるを得ないとか、現時點では内閣告示で新字・新かなが公認されてゐる以上涙を呑んででも妥協せざるを得ません。
しかし自分自身或いは志を同じうするグループや團體の書類、ホームページや著作刊行物では堂々と正字・正かなを實踐することも亦同じ内閣告示前書きで公認されてゐます。とは言へ「讀めない」などのクレームに、正字・正かなへの理解と同意を克ち取るには賢明な説明と説得が必要です。その意味でこのサイトで本年連載中の「反論例」が御役に立てばと思つてゐます。「讀めない」に對しては、例へば「高校全入」の時代、古文の教科で歴史的假名遣に觸れて、古典に親しんだことを思ひ出してもらふなどが考へられませう。
練習問題
下記の所論に問題があるとすれば、その反論を御書き下さい。(問題の性質上、敢て新字・新かなで表記してあります)。
今や世界はグローバル化の時代、電脳空間での受発信技術の進化について行けない言語が消滅の運命にあること、日本語も例外ではない。仮名遣いは一応四十八の仮名が使えるので「正かな」が可能だとはいえ、一旦「新かな」で入力、変換してから、仮名部分を打ち直すのが実態では、言語生活的にも、能率面で話にならないし、漢字のコード化も既にユニコードで統一され終つており、無理に「正漢字」を使おうとしてPDF化すれば何百倍ものメモリーを食い、経済的にも成立たないなどという事実を考えれば、或る意味どうでもよい表記問題を蒸し返すべきではない。
先月のクイズ解答
下記の所論に問題があるとすれば、その反論を御書き下さい。(問題の性質上、敢て新字・新かなで表記してあります)。
SNSやインターネットのホームページ等で正字・正かな表記をすると、「読めない」という苦情が殺到して結局新字・新かな表記にせざるを得なくなつた事例をよく耳にする。既に70年の歴史を経て、今や歴史的仮名遣いが読めない世代が圧倒的多数を占める現在、主張は読んでもらって何ぼなのだから、先ず相手の懐に入る為にも新字・新かなに妥協はやむを得ない。
この主張に對する反論の一例を擧げます。
自分が正しいと思ふ理念や政策に世間の理解を得て實現する過程で、妥協も必要であることは勿論です。正字・正かなを標榜しながら新字・新かなで仕事をしなければならないとか、出版社の方針に從はざるを得ないとか、現時點では内閣告示で新字・新かなが公認されてゐる以上涙を呑んででも妥協せざるを得ません。
しかし自分自身或いは志を同じうするグループや團體の書類、ホームページや著作刊行物では堂々と正字・正かなを實踐することも亦同じ内閣告示前書きで公認されてゐます。とは言へ「讀めない」などのクレームに、正字・正かなへの理解と同意を克ち取るには賢明な説明と説得が必要です。その意味でこのサイトで本年連載中の「反論例」が御役に立てばと思つてゐます。「讀めない」に對しては、例へば「高校全入」の時代、古文の教科で歴史的假名遣に觸れて、古典に親しんだことを思ひ出してもらふなどが考へられませう。
練習問題
下記の所論に問題があるとすれば、その反論を御書き下さい。(問題の性質上、敢て新字・新かなで表記してあります)。
今や世界はグローバル化の時代、電脳空間での受発信技術の進化について行けない言語が消滅の運命にあること、日本語も例外ではない。仮名遣いは一応四十八の仮名が使えるので「正かな」が可能だとはいえ、一旦「新かな」で入力、変換してから、仮名部分を打ち直すのが実態では、言語生活的にも、能率面で話にならないし、漢字のコード化も既にユニコードで統一され終つており、無理に「正漢字」を使おうとしてPDF化すれば何百倍ものメモリーを食い、経済的にも成立たないなどという事実を考えれば、或る意味どうでもよい表記問題を蒸し返すべきではない。
posted by 國語問題協議會 at 12:10| Comment(0)
| 市川浩