2015年02月18日

☆はがき一枚の國語 京言葉 大喜多俊一


『京言葉』(楳垣・うめがき・實著)といふ昭和二十一年刊の本には、末尾に京言葉の語彙が載つてゐる。それから研究は續いてゐるが、以後新しい業績はあまり見られないままに、『京ことば辞典』が平成四年に東京堂から刊行された。付録ページに京の言ひ傳へ・地名・わらべ唄などが収録されてゐておもしろい。

京言葉の三大特色はやはり會話にあり、輕い中間敬語の「はる言葉」と「お〜やす」の表現(お食べやす)、否定の叙述の表現(行かへん、できひん)ならびに腕曲表現(例「〜してもらへませんか」)に止めをさす。

「Qさんには、難儀やなあとおもたらいつでもええさかいにうつとこへ相談においないと言ふてんにやけど、てんと來やはらへん。」
「あの人、あいさにスーパーで見かけるけどこの頃變ななりしてはるわ。」

京都人のとある會話の一部である。標準語で言ひ換へると
「難儀だと思つたらいつでもよいから我が家へ相談に來るやうに言つてゐるが、めつたに來ない。」
「時々見かけるが、變つた服装をしてゐた。」の意。

特徴は、指定の助動詞「や」、「さかいに」は順接の助詞、「うつとこ」は我が家、「てんと」は「全く〜ない」、「はる」は軽い敬語、
「あいさ」は時々、「なり」は服装・身なり・体裁の意。
使はれてゐる語には、名詞・動詞・助詞・助動詞・接続詞など多々。確かにこの言葉は書いてみると、冗長になり、變な感じがする。

posted by 國語問題協議會 at 14:20| Comment(0) | 大喜多俊一