2022年07月29日

日本語ウォッチング(52)  織田多宇人

狹少な面積
 「狹少な面積」と言ふのを見たことがあるが、これは「狹小な面積」と書くべきだろう。何故なら面積は「大きい、小さい」と言ふのが普通󠄁で、「多い、少ない」とは言はないからである。しかし「最小」、「最少」はそれぞれ用途󠄁がありどちらもある。「最小公倍數」は最大公約󠄁數との對比を考へると「最少公倍數」は間違󠄂ひと分るだらう。「最小」と「最少」は發音󠄁が同じなので紛はしいが、幸ひその反意󠄁語である「最大」と「最多」が發音󠄁が違󠄂ふので、迷󠄁つた時には、反意󠄁語を考へるとよい。
posted by 國語問題協議會 at 08:00| Comment(0) | 織田多宇人

2022年05月31日

日本語ウォッチング(51) 織田多宇人

緩󠄁漫な動き
 「緩󠄁漫な動き」などと誤󠄁記を見ることがあるが、これは「緩󠄁慢」でなければならない。「緩󠄁慢(かんまん)」とは「ゆつくりしてのろいこと」だが、「緩󠄁」は音󠄁が「カン」で訓が「ゆるい」であり、緩󠄁慢以外に「緩󠄁和、緩󠄁急󠄁、緩󠄁衝地帶、弛緩󠄁」などの熟語を作る。「漫」も「慢」も音󠄁は同じく「マン」だが、どちらも常用の訓はない。
 「漫」には、@「しまりがない、けじめがない、みだりに」の意󠄁では、「漫評󠄁、散漫、放漫、冗漫」などの熟語を作り、A「わけもなく、深い考えがあるのでない、そぞろに」の意󠄁では「漫然、漫步、漫遊󠄁、漫筆、漫畫、漫談」などの熟語を作る。
 「慢」には@「他を輕んじて自らをよしとする、たかぶる」の意󠄁では、「慢心、傲慢、自慢、高慢」などの熟語を作り、A「進󠄁みがのろい、だらだらと長びく」の意󠄁では、「怠慢、緩󠄁慢」などの熟語を作る。
 「さんずい」と「りっしんべん」の違󠄂ひはあるものの、多少意󠄁味が似てゐるので注󠄁意󠄁が必要󠄁である。
posted by 國語問題協議會 at 18:40| Comment(0) | 織田多宇人

2022年04月25日

日本語ウォッチング(50)  織田多宇人

完壁
 間違󠄂へる人が多いのが、「完璧」と書くべきところを「完壁」と書く例。「壁」も「璧」も音󠄁は「ヘキ」だが、「壁」の訓は「かべ」で「璧」の訓は「たま」。「璧」と言ふ字の存在を知らない方もゐる。磨󠄁いて傷のない玉を「完璧」と言ひ、「完全󠄁で缺點のないこと」を意󠄁味する。「璧」のその他の熟語としては、「雙璧」がある。「一對の寶玉」、或は「優劣無く、すぐれてゐる二つのもの」を意󠄁味する。これを「雙壁」と書いたら解釋に苦しむ。
 「壁」を含む熟語は多いが、特徵のある用ゐ方をしてゐるのは、「鐵壁」、「壁畫」、「城壁」あたりが思ひつく。
posted by 國語問題協議會 at 23:45| Comment(0) | 織田多宇人