2019年06月16日

日本語ウォッチング(17)  織田多宇人

衆にぬきんずる
週刊誌などで「衆にぬきんずる」と言う表現を見たことがあるが、これは「ぬきんでる」でなければならない。「ぬきんでる」は「抜き出づ」が変化したものと思われ、他より目立って優れる、ひいでると言う意味である。おそらく書いた人は「ぬきんずる」は、「先んずる、重んずる、輕んずる」と同類の語と錯覺したに違ひない。「「先んずる」は「さきにす」の音便で「ぬきんでる」とは同類ではない。
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2019年06月09日

日本語ウォッチング(16)  織田多宇人

しないことができる
戰後、何でも口語にすれば易しくなつた等と言ふ誤つた國語觀が横行した結果、「しないことができる」と言ふ言ひ方が法律や規則の類に用ゐられてゐる。「....セザルコトヲ得」を口語に直譯したものと思はれる。しかしどうもしつくり來ない。「しなくてもよい」とか「しないことが許される」とすれば未だマシなのだが。辭令とか卒業證書などまで簡潔で威嚴のある文語調が影を潛めたのは殘念である。
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2019年05月26日

日本語ウォッチング(15)コーヒーは薄いめに

テレビ等で「湯はぬるいめ・・・・・」と言ふやうなことを時々耳にする。これは喋り言葉だけでなく書き言葉にもしばしば見掛ける。「一般に、日本人の口には、紅茶は濃いめで、コーヒーは薄いめに感じる」の「薄いめ」は「濃いめ」に引つ張られてしまつたのか。「め」は「ぬるい、薄い、硬い、淺い、高い」等の形容詞に附く場合、形容詞の語幹に附く。つまり活用語尾の「い」は取つて、「ぬるめ、薄め、淺め、高め」としなければならない。「濃いめ」は「濃め」とは言はないので、例外的な使用例か。
なほ、たまに見掛ける「たつぷりめ、はつきりめ」等と副詞に「め」を附けるのには無理がある。
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