2020年05月23日

日本語ウォッチング(30)  織田多宇人

晴れあがる
「朝から晴れあがつた良い天氣」と言ふ表現は餘り違和感が無いやうだが良く考へると何かをかしい。「ハレあがる」と言ふと、腫物がでも出來たかと勘違ひしてしまふ。多分「雨が霽(は)れる」「雨が上る」と言ふ二つの言葉がくつついて出來たのではないだらうか。良く晴れた日、澄んだ青空のことは、「晴れ渡る」「澄み渡る」と言ふのが本來の言ひ方だらう。明治天皇の御製にも「あさみどり澄みわたりたる大空の廣きをおのが心ともがな」と言ふのがある。
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2020年04月04日

日本語ウォッチング(29) 織田多宇人

波紋を投ずる
新聞等記事に「波紋を投ずる」と言ふ表現を見ることがある。波紋とは、水に物を投じたとき波が水面につくる模樣であり、影響と言ふ意味に用ゐられることが多い。波紋そのものを投ずると言ふのはをかしい。「波紋を生ずる」、「波紋を起す」、「波紋を及ぼす」、「波紋を擴げる」、「波紋を呼ぶ」と言ふ言ひ方は出來るが、いきなり「波紋を投ずる」は無理がある。
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2020年01月27日

日本語ウォッチング(28)  織田多宇人

花がよんぶ咲き
「花が四分咲き」とか「七分咲き」等と言ふ場合、ラジオ・テレビで「よんぶ」「ななぶ」と發音してゐる場合が多い。しかしこれは「しぶ」、「しちぶ」と言ふことに決まつてゐる。例へば「四十七士」「四萬六千日」をまさか「よんじゅうななし」「よんまんろくせんにち」とは言はないだらう。金錢や數字の聞き誤りを避ける場合は無理も無いが、いはば成語となつてゐるものは、ラジオ・テレビも正しい發音に從つてもらひたい。年齡等でも「よん」「なな」を使ふのは耳障りである。「四歳」は「しさい」と言ひにくいので、昔から「よっつ」と言ひ、「十四歳」は單に「十四」と言つた。「男女七歳にして」は成語なので「しちさい」である。「七歳」が發音しにくければ、「ななつ」と言ふ言ひ方が用意されてゐた。戰後、年齡に一々「歳」をつけて言ふやうになつて「四歳」、「七歳」のやうに發音がぎこちなくない言葉が生れて來た。柔道等の「段」も「七段」は「しちだん」だ。但し「四段」は「しだん」とは發音しにくいので、「よだん」と發音してゐるのが一般的のやうだ。
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