2025年04月11日

日本語ウォッチング(76)「デザインも仲々だ」/織田多宇人

デザインも仲々だ
 「色もいいがデザインも仲々だ」と言ふ風な書き方を時々見かけるが、「なかなか」に漢字をあてるとすれば「仲々」より「中々」の方が良いのではないか。「なかなか」には、@ 豫想した程󠄁度を上回るさま。かなりなさま。「―な技倆者(やりて) だと見えるナ」、A 物事が豫想したやうには容易に實現しないさま。「具󠄁體化󠄁まではまだーだ」、の他に古い使い方でB 中途󠄁半󠄁端なさま。また、中途󠄁半󠄁端で、いつそさうでないほうがましなさま。と言ふのがあり、これから@Aの意󠄁味に發展したと言はれてゐるので「中々」の方が妥󠄁當だらう。
posted by 國語問題協議會 at 23:00| Comment(0) | 織田多宇人

2025年03月08日

日本語ウォッチング(75)「貧慾」/織田多宇人

貧慾
 「貧慾にむさぼり續け……」と言ふ風に某雜誌に書かれてゐたが、貧慾は「貪慾(どんよく)」でなければならない。字體が似てゐるために誤󠄁り易いが、「貧」は音󠄁が「ヒン、ビン」で訓が「まづしい」であるから、貧慾では「ひんよく」と讀むしかなく、意󠄁味も慾が無いことになつてしまふ。一方、貪の音󠄁は「ドン、タン」で訓は「むさぼる」であるから貪慾は非常に慾が深いことになる。「むさぼる」と言ふ時に「貧」を使つてゐる例が多いのは、「貪」と言ふ漢字のあることを知らないためかもしれない。
posted by 國語問題協議會 at 09:05| Comment(0) | 織田多宇人

2025年01月11日

日本語ウォッチング(74)「泥試合」/織田多宇人

泥試合
 武藝や竸技等で優劣を爭ふ「しあひ」は普通󠄁「試合」と書くが、本來は「爲合」であり、「仕合」と書いてゐた。しかし「どろじあひ」は上の「試合」とは關係ない。「泥試合」と書くと「泥を使つてする試合」のやうに受󠄁け取られかねない。「どろじあひ」は互ひに相手の缺點や失敗や祕密を暴いたりして醜い爭ひをすることなので、「泥仕合」と書く可きだらう。
posted by 國語問題協議會 at 19:10| Comment(0) | 織田多宇人