戰鬪體制
「戰鬪體制」と言ふ言葉を時々見かけるが、これは「戰鬪體勢」でないとしつくり來ない。「體制」とは一般に社會の仕組、社會集團が有機的󠄁關係に統一され秩序化󠄁されてゐる狀態を言ひ、「資󠄁本主󠄁義體制、反體制運󠄁動」のやうに使はれる。姿󠄁勢の意󠄁には「體勢」が使はれ、他からの働きかけに對する身構󠄁への意󠄁には「體勢」が使はれる。從つて、戰鬪には「體勢」が使はれる可きである。
2024年09月02日
日本語ウォッチング(70)「戰鬪體制」/織田多宇人
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| 織田多宇人
2024年08月09日
日本語ウォッチング(69)「戰々競々」/織田多宇人
戰々競々
「戰々競々」とか「戰々恐󠄁々」と言ふ文章を時々見かけるが、「戰々兢々」と書くべきであらう。「戰」は音󠄁が「セン」、訓が「をののく、たたかふ」であり、「競」は音󠄁が「キャウ」、訓が「きそふ」であり、「恐󠄁」は音󠄁が「キョウ」で訓が「おそれる、おそろしい」であり、「兢」は音󠄁が「キョウ」、字義が「つつしむ、わななく」である。そして「せんせんきょうきょう」とは「びくびくおそれつつしむ」ことであるから、由諮ウしい「戰々兢々」が最も適󠄁當であると言はざるを得ない。最近󠄁の辭書では「戰々恐󠄁々」も認󠄁めてゐるが首肯できない。「戰々競々」は字が似てゐるから誤󠄁記したものだらうが「おそれきそふ」意󠄁となり論外である。
「戰々競々」とか「戰々恐󠄁々」と言ふ文章を時々見かけるが、「戰々兢々」と書くべきであらう。「戰」は音󠄁が「セン」、訓が「をののく、たたかふ」であり、「競」は音󠄁が「キャウ」、訓が「きそふ」であり、「恐󠄁」は音󠄁が「キョウ」で訓が「おそれる、おそろしい」であり、「兢」は音󠄁が「キョウ」、字義が「つつしむ、わななく」である。そして「せんせんきょうきょう」とは「びくびくおそれつつしむ」ことであるから、由諮ウしい「戰々兢々」が最も適󠄁當であると言はざるを得ない。最近󠄁の辭書では「戰々恐󠄁々」も認󠄁めてゐるが首肯できない。「戰々競々」は字が似てゐるから誤󠄁記したものだらうが「おそれきそふ」意󠄁となり論外である。
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| 織田多宇人
2024年07月19日
日本語ウォッチング(68)「責任を轉化󠄁する」/織田多宇人
責任を轉化󠄁する
「責任を轉化󠄁する」とか「責任を轉稼」すると言ふ文章を時々見かけるが、勿論「轉化󠄁」も「轉稼」も間違󠄂ひで「轉嫁」が正しい。「轉」の音󠄁は「テン」で、訓は「ころぶ」である。また「めぐる」とか「うつる」と言ふ意󠄁味も持つてゐる。「轉化󠄁」と言ふ熟語はあるが、「うつりかわる」と言ふ意󠄁味で、責任を「てんか」する意󠄁には合はない。「稼」の音󠄁は「カ」だが、訓は「かせぐ」であって、「轉稼」では意󠄁味が通󠄁じない。「嫁」の音󠄁は「カ」で、訓は「よめ」あるいは「とつぐ」である。「轉嫁」は再び他に嫁入りすることで、それから「他に移し負はせる」と言ふ意󠄁になった。近󠄁頃離婚が揩ヲ、再婚(轉嫁)も揩ヲてゐるやうだが、まさかその所󠄁爲で責任轉嫁が揩ヲてゐる譯でもあるまい。
「責任を轉化󠄁する」とか「責任を轉稼」すると言ふ文章を時々見かけるが、勿論「轉化󠄁」も「轉稼」も間違󠄂ひで「轉嫁」が正しい。「轉」の音󠄁は「テン」で、訓は「ころぶ」である。また「めぐる」とか「うつる」と言ふ意󠄁味も持つてゐる。「轉化󠄁」と言ふ熟語はあるが、「うつりかわる」と言ふ意󠄁味で、責任を「てんか」する意󠄁には合はない。「稼」の音󠄁は「カ」だが、訓は「かせぐ」であって、「轉稼」では意󠄁味が通󠄁じない。「嫁」の音󠄁は「カ」で、訓は「よめ」あるいは「とつぐ」である。「轉嫁」は再び他に嫁入りすることで、それから「他に移し負はせる」と言ふ意󠄁になった。近󠄁頃離婚が揩ヲ、再婚(轉嫁)も揩ヲてゐるやうだが、まさかその所󠄁爲で責任轉嫁が揩ヲてゐる譯でもあるまい。
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| 織田多宇人