成󠄁長を逐󠄁げる
「成󠄁長を逐󠄁げる」と言ふ文章を見たがこれは「遂󠄂げる」と書くべき。「逐󠄁」音󠄁は「チク」で、訓は「おふ(追󠄁ふ)」、であり、熟語には「逐󠄁日、逐󠄁次󠄁、驅逐󠄁」等である。一方、「遂󠄂」の音󠄁は「スイ」で、訓は「とげる、ついに」であり、熟語には「遂󠄂行、未遂󠄂、完遂󠄂」等がある。「逐󠄁」と「遂󠄂」は混同され易く、「遂󠄂行」が「逐󠄁行」、「逐󠄁次󠄁」が「遂󠄂次󠄁」と誤󠄁記されたり、「遂󠄂」が「チク」とか「おふ」、「逐󠄁」が「スイ」とか「とげる」と誤󠄁讀されたりする。また「遂󠄂」は「ついに」と訓讀されることから、「遂󠄂行」、「未遂󠄂」、「完遂󠄂」等を「ついこう、みつい、かんつい」と誤󠄁讀される事も多い。
2024年06月15日
日本語ウォッチング(67)「成󠄁長を逐󠄁げる」/織田多宇人
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| 織田多宇人
2024年05月27日
日本語ウォッチング(66)「制肘を加へる」/織田多宇人
制肘を加へる
「制肘を加へる」と言ふ文章を見たがこれは「掣肘」と書くべき。「制」も「掣」も音󠄁は「セイ」だが、訓は「制」は「おきて」、「掣」は「ひく」である。「制」には「おきて、ととのへる、おさへる」等の義があり、「制度、制令、制定、統制、制壓、抑制」を始め多くの熟語があるが、「掣」には「掣肘」以外に一般的󠄁な熟語はない。「掣肘」は中國の故事から出た熟語で、人の肘を掣いて自由を妨げること、つまり、脇から干涉して自由な行動を妨げる意󠄁に用ゐられる。「制」には「おさへる」意󠄁があるので間違󠄂ひ易いが、やはり正しく「掣肘」と書いて貰ひたい。
「制肘を加へる」と言ふ文章を見たがこれは「掣肘」と書くべき。「制」も「掣」も音󠄁は「セイ」だが、訓は「制」は「おきて」、「掣」は「ひく」である。「制」には「おきて、ととのへる、おさへる」等の義があり、「制度、制令、制定、統制、制壓、抑制」を始め多くの熟語があるが、「掣」には「掣肘」以外に一般的󠄁な熟語はない。「掣肘」は中國の故事から出た熟語で、人の肘を掣いて自由を妨げること、つまり、脇から干涉して自由な行動を妨げる意󠄁に用ゐられる。「制」には「おさへる」意󠄁があるので間違󠄂ひ易いが、やはり正しく「掣肘」と書いて貰ひたい。
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| 織田多宇人
2024年01月13日
日本語ウォッチング(66)「制肘を加へる」/織田多宇人
制肘を加へる
「制肘を加へる」と言ふ文章を見たがこれは「掣肘」と書くべき。「制」も「掣」も音󠄁は「セイ」だが、訓は「制」は「おきて」、「掣」は「ひく」である。「制」には「おきて、ととのへる、おさへる」等の義があり、「制度、制令、制定、統制、制壓、抑制」を始め多くの熟語があるが、「掣」には「掣肘」以外に一般的󠄁な熟語はない。「掣肘」は中國の故事から出た熟語で、人の肘を掣いて自由を妨げること、つまり、脇から干涉して自由な行動を妨げる意󠄁に用ゐられる。「制」には「おさへる」意󠄁があるので間違󠄂ひ易いが、やはり正しく「掣肘」と書いて貰ひたい。
「制肘を加へる」と言ふ文章を見たがこれは「掣肘」と書くべき。「制」も「掣」も音󠄁は「セイ」だが、訓は「制」は「おきて」、「掣」は「ひく」である。「制」には「おきて、ととのへる、おさへる」等の義があり、「制度、制令、制定、統制、制壓、抑制」を始め多くの熟語があるが、「掣」には「掣肘」以外に一般的󠄁な熟語はない。「掣肘」は中國の故事から出た熟語で、人の肘を掣いて自由を妨げること、つまり、脇から干涉して自由な行動を妨げる意󠄁に用ゐられる。「制」には「おさへる」意󠄁があるので間違󠄂ひ易いが、やはり正しく「掣肘」と書いて貰ひたい。
posted by 國語問題協議會 at 22:30| Comment(0)
| 織田多宇人