![[いぎす豆腐]](http://kokugomondaikyo.sakura.ne.jp/sblo_files/kokugomondaikyo/image/E3818BE381AAE799BE035E38184E3818EE38199E8B186E88590a-thumbnail2.jpg)
![[いぎりす]](http://kokugomondaikyo.sakura.ne.jp/sblo_files/kokugomondaikyo/image/E3818BE381AAE799BE035E38184E3818EE38199E8B186E88590bE38184E3818EE3828AE38199-thumbnail2.jpg)
愛媛󠄁縣今治や越智などP戶內海地方のク土料理。海藻のイギス(Ceramium kondoi)やアミクサ(Ceramium boydenii)を煮溶かし固めたもので、長崎や熊本では同趣のものを「いぎりす」と呼ぶ。もちろん國名の英吉利とは無關係である。
![[おきうと]](http://kokugomondaikyo.sakura.ne.jp/sblo_files/kokugomondaikyo/image/E3818BE381AAE799BE035E38184E3818EE38199E8B186E88590cE3818AE3818DE38186E381A8-thumbnail2.jpg)
また日本海沿󠄂岸から西日本にかけ、「ゑごのり、惠胡海苔(Campylaephora hypnaeoides)」を用ゐた類似品が分布する。
佐渡の「いごねり」「えごねり」
新潟や長野縣(北部)の「いご」「えご」
京キ府の「うご」
更にiェの「おきゅうと」・「おきうと」
など樣々に呼ばれる。
「おごのり、海髮(Gracilaria vermiculophylla)」は全󠄁く別種の海藻で、刺身のつまや天草と共に寒󠄁天の材料となる。正倉院文書に「於期󠄁」とあり、假名遣󠄁は「おご」で間違󠄂ひないだらう。
「いぎす」「ゑご」の語源などは未詳である。この場合、上記の料理はたとへば「ゐぎす」「ゐごねり」などとすべきであらうか。「クロクワヰ(K慈姑)」の異名「ヱグ(惠具󠄁)」や、「ヱゴノキ(野茉莉、Styrax japonica)」はそれぞれその味が「ゑぐい」事による名稱といふ。しかし惠胡海苔にそのやうな記述󠄁はなく、一般的󠄁な漢字表記「惠胡」から「ゑご」と導󠄁いたものかもしれない。「おきうと」も「沖獨活」「お救人」など宛字かどうかは判󠄁然としない。